お祝いコメント・お店,作家,お友達
お店
ライブハウスTOKUZOオーナー 森田裕さん
敬愛するTOKUZOの森田さんからコメント頂きました。私たちはTOKUZOの前身でもある「オープンハウス」にも時折行っており、現在のTOKUZOは私たちにとってもっとも足繁く通うライブハウスです。
武田はプレイヤーとしても時々お世話になっております。森田さんからは全てにおいて、いつまで経っても教わることが尽きません。今回は初めて会場とし てお世話になります。どうぞよろしくお願いいたします!
10周年おめでとうございます。
TOKUZOが出来て3年目にオープンしたんですね。ちょうどその頃から、カフェライブなる言葉がちまたに普及しだしたような気がします。名古屋でも、あちこちの店で酒や食事を取りながら気軽に生演奏が聴けるようになり、それを楽しむ人達も多くなったように見受けます。
カフェでライブをやると言っても、お店の常連さんが仲間うちで楽しむようなものから、内容は様々ですが、マタハリでのライブは、店側が普段来るお客さんに推薦するモノを提供し、それを信頼するお客さん達が集まるといった印象で、僕の中では理想的なものです。それは、きっと飲食店としてのお客様への対応の中に、丁寧な意志が有るから成り立つことなのでしょう。
あちこちを旅して、自分のキャパシティを広げていくという考え方がありますが、僕などは正反対で、年間300日ぐらいは今池村から外へ出ません。どうやら、店なんぞをやっていると、多かれ少なかれ「定点」から、いかに広く柔軟にモノを考えていくかがひとつのポイントになるんじゃないかと思っています。
いつの日か、日々対応するお客さん達や、顔を出す演奏者達との関係の中から、どこからともなく「精神」のようなものがにじみ出るような、そして気がついたら「店」自体に人格が宿っているかような、ジワジワと、そんな仕事が出来たら嬉しいですね。
頑張りましょう!
御器所 Nanya オーナー puyoさん
なんやも、そしてサックスプレイヤーでもあるなんや のpuyoさんも、これまたとても大好きです!食べ物はなんでも安くて美味しい!
食は平和だ。と、昔、岩谷宏氏が書いていました。
食は、戦争ともっとも遠いところにあるし、おいしいものを食べれば、それだけで幸 せになれます。むずかしいことは何もありません。
音楽も、基本的に平和です。攻撃的な音楽もあるし、人によっては、不快な音楽も あるでしょうし、音楽が社会を動かすことだってできるかもしれません。でも、それ を考えても、やはり音楽は平和です。幸せになれます。
人が人と会話する、というのも平和です。けんかになったとしても、話が成立して いれば、平和です。人とつながり、自分の考えを深め、そして、幸せになります。
このみっつがロジウラのマタハリ春光乍洩にそろっています。こりゃ、楽しいわ ね。
武田さんもりりこさんも、そんな食や音楽や社交場を生業にしていて、素晴らしいですね。10周年、おめでとうございます。そして、ずっと続けてくださいね。
K・D ハポン-空き地-森田太朗さん
K・Dハポンに行くと、絶対絶対、びっくりする人、何年ぶりかの人、ずっと昔の知り合いに偶然会えたりしてびっくりします。私にとっては誰かに会えるライブハウスです。
刺激的なブッキングに羨望しながら、お客としてもドキドキしています。
ロジウラのマタハリ 春光乍洩 10周年おめでとうございます。マタハリには僕は、ハポンを始める前からお邪魔しておりました。お茶を飲みに行ったり、ごはんを食べに行ったり、自分の企 画のイベントのチラシを持って行ったりと、お世話になっていました。
お茶もごはんも美味しくて、笑顔で迎えてくれる"りりこさん"。手が空くと厨房から出てきてくれる信吾さんの笑顔。いつ行ってもキレイで明るい店内は、お二人の心がゆきとどいて、いつも心地好さを感じます。ハポンにも、お目当てのLive とお店の休みがかさなるとちょくちょく二人で仲良く遊びにも来てくれます。
信吾さんはSaxでハポンにも出演したりもしています。主に即興・Jazz・アヴァンギャルドとマニアック!
マタハリ10周年記念Liveの面々も、日本ではトップクラスのプレイヤーばかり!!よくぞ集めましたねぇ~。どんな Liveとなるのでしょう?ワクワクですね。これからもお二人で心地好い、そしてワクワクする"マタハリ"を守って下さいね。ぶら~り立ち寄ります。
「琉球王国」「ナガヲ薬局カフェ綾羽」オーナー 長尾冨次郎さん
トミジローさんのお店とマタハリの2つを行き来するお客様は結構いらっしゃったのですが、これまでは名前を知るばかりでお会いしたこともありませんでした。
しかし、Twitterを介してご挨拶して以来、仲良くお付き合いいただいていて、今ではとても大切な仲間です。栄でとても美味しい沖縄料理を出している「琉球王国」と、三重県関宿で「ナガヲ薬局カフェ綾羽」を経営する、猛烈オーナーです。
琉球王国
『居場所』
TAKEDAさん、りりこさん、十周年おめでとうございます。
出合ってさ程月日は経ってませんが、それは恋愛のように深く急速に結び合い時に激しく?この年になって友人と呼べる人が出来るのですね。 カウンター越しに見るりりこさんはちょっと天然で可愛く、TAKEDAさんはいつも定食屋のおばちゃんの様な笑顔で、自分には音楽や映画は無くてもそれさえあれば良いのですよ。
沖縄の民謡の一節マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨって歌詞があるのだけど「また逢いましょう、いとしい人よ」と言う意味ともう一説にはインドネシア語から「太陽は我らを等しく愛する」とも言われてます。
ロジウラのマタハリ春光乍洩これからも、らしく、なりに、のままで、
いつも最高の居場所をありがとう。
アジアンダイニング「ワルンプアン」オーナー ガラムさん
ガラムさんとのお付き合いは2006年でしたか。同じ飲食店を経営する人として、初めてのお友達になった人でした。同業者にしかわからない楽しみも苦労も一緒にわかちあう大切な仲間です。
それと同時にワルンプアンのお食事はとても美味しいので、私たちはワルンプアンさんのファンでもあるのです。
ワルンプアン
私が初めてロジウラのマタハリのドアをくぐったのは、今から5年前の2006年2月の事だった。
当時、二十余年勤めた会社員生活に決別し、 失業給付を受けながら飲食店開業の漠然とした夢だけを頼りに 自ら「修行」と称した、単なる食べ歩きにうつつをぬかしていた頃である。
知り合いの飲食店のマスターに「あなた達のやりたいお店はこんな感じじゃないかな」と、紹介されたのが、cafe「ロジウラのマタハリ 春光乍洩」だった。
ランチタイムのカウンター席に陣取ったものの、 元来、小心者の私は接客してくださる美尾りりこさんのご尊顔をチラチラと 盗み見る程度で、厨房にいる武田信吾さんに至っては存在すら気づかなかった。(ごめんね、タケちゃん)
でもその日から、このマタハリという店が、 そしてTAKEDAさんとりりこさんが我々の目標になり理想になり今日に至っている。
お二人の「好き」がたくさん詰まった、というか、二人の「好き」のみで すべてがカタチ作られているロジウラのマタハリ。 その空間が「好き」なお客さんが集まって来て、更にお店が明るく輝く。
そういうこと、本当に教えてもらいました。
ありがとう。
そして10周年おめでとうございます。これからもまだまだお二人の「好き」で我々を照らし続けてください。少し後ろから、ずっとついて行きます。
大切な友人に。
ガラム
パルル 新見永治さん
10年前に店を開いた私たちにとっては、いろんな方々が、理想を、そして様々な方法を示唆してくれる魅力的な先輩でした。
新栄画廊からカノーヴァン、そして現在はパルルという場所を開いている新見さんもそのお一人です。私たちはカノーヴァンやパルルで行われる魅力的なライブに足を運び、また「場」をどのように動かしていくかを思考し続ける新見さんにずっと注目しています。
パルルは去年の2月に通常のカフェの営業を休み始めて以来イヴェントのあるときだけ開けてきました。
半ば休養のような感じです。新栄画廊としてスタートしたのが1980年なのでもう30年です。少しは休みも必要かと思います。
そしていま新しい運営方法を模索し始めました。
私が経営者として運営して来たのですが、カフェにするとか、音楽ライヴに力を入れるとか、そのような要素の工夫はして来たのですが、運営の仕組み自体には随分無関心で来ました。
去年あたりから経営者一人がリーダーシップを発揮するのではなく、大勢で運営したらどうなるのかな、と思い始めました。
大勢で運営のための新しいルール作りをしようとしています。
皆なの意見が反映されたものになる、という以外はこうなったらいいというような理想の形は見えていません。
その分どんな仕組みが生まれてくるのかとても楽しみにしています。
パルルのことばかり書いてしまいました。
私はこれまで本当に数えるほどしかマタハリにお邪魔していません。
でも絶対にこれからも続いてほしい場所だと思っています。
よく例えに出すのですが、優れた羊飼いは何百匹といる羊が一匹でも欠けたら瞬時に分かるそうです。
すべてが重要だし、小さなかけらでも足らなければ、全体のバランスとても悪いものになってしまうんですね。
マタハリはまさしくそんな無くてはならないスペースです。
パルルもそうありたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願いします。
作家
作家・川上未映子さん
2006年冬。お友達のシロメ犬崎フランソワさんが、川上未映子さんの作品が面白いよ!と言って、「早稲田文学フリーペーパー WB」をくれたのです。そこには未映子さんの「感じる専門家 採用試験」が収録されていました。
あれから私は未映子さんの大ファンになり、その後、2008年7月、マタハリ7周年ライブとして「川上未映子+坂本弘道DUO」を行うことになりました。
未映子さんからこのようなメッセージが届き、本当に嬉しかったです。
りりこさん、たけださま、10周年おめでとうございます。
とてもうれしいです。
わたしの敬愛する音楽家たちが「名古屋のマタハリさんというお店のりりこさんという人が、あなたの作品の話を熱心にしていたよ。朗読もしていたよ」と教えてくれたのが、わたしがマタハリさんのことを知るきっかけでした。
それからご縁があって、教えてくれた音楽家のひとり、チェリストの坂本弘道さんと一緒に歌と朗読をさせていただけることになったり、また、名古屋 でサイン会があったりしたときなどに遊びにいったりして──家からほとんど出ない仕事なのでなかなかゆけないのが淋しいのですが、それでも例えば大阪へ向 かう新幹線が名古屋を通過するびにマタハリさんのことを考え、同乗している人がいれば「そこにマタハリというお店があって、りりこさんて人がいて、シロメさんって人がいて」とえんえん話をはじめてしまいます。
そんなだから、わたしはマタハリさんには数度しか行ったことがないのだけれど、マタハリという場所やその言葉が連れてくる気持ちが、自分にとって なぜこんなに特別なのだろうかとよく考えます。今も書きながら考えています。
今も、お店の壁の色や、りりこさんやシロメさんやたけださんのお顔を思い出すと、なんだか胸がざわっとして懐かしくて涙がにじんでしまうのです。なんかおかしいですよね。でも本当なんです。
わたしたちのあいだには最初から今までも、言葉とか音楽といった表現が存在しているから自然に発生した無条件の友情で結びついているというわけでもなく、たとえばつまらないものを書いたらもう口もきいてくれなっても仕方がないような、そんなある種の緊張関係が絶えずあるはずなのに、それでも、それ だけではない何かをわたしは感じています。
りりこさんやマタハリさんが連れてくるものには説明できない安堵があって──これはわたしが単純にりりこさんや シロメさんに甘えているだけなのかも知れないのだけれど、でもそこにはうまく説明できない、何にも似ていない、やはり特別な気持ちがあるのです。
最後にお会いしたとき、わたしは、まだというかほとんどりりこさんのこともシロメさんのことも知らないのに、でも帰りぎわ、すごく迷って、でも思 い切って「ずっと友達でいてね」とりりこさんに言いました。
そしたら後日、ブログでそのときのことが書かれていて、りりこさんもそれがとてもうれしかった と思ってくれたことを知って本当にうれしかった。10周年、心からおめでとうございます。これからもずっと、友達でいてね。
歌人・野口あや子さん
現在、大学生。短歌の世界を駆ける甘党辛口乙女。幻桃短歌会、未来短歌会(加藤治郎選歌欄)所属。
野口さんの第一歌集『くびすじの欠片』(短歌研究社)は現代歌人協会賞最年少受賞。カウンターを介して、野口さんの視線の先を私も見たり、思考の尻尾を追いかけようと私もちょっと小走りになったり、そういう時間が至福です。
野口あや子さん
ひらひらと
野口あや子
六十歳の離れた短歌の師匠・松村あや先生が十数年ぶりの歌集を出版された。
板橋を渡らんとしてひらひらと戦ぐ両手に静脈の浮く
『あらせいとう』松村あや
ここ最近まで、歳を重ねれば安定するし不安はなくなると思っていた。だが、松村先生の歌集を読んで、必ずしもそうではないと気がつく。祖母より年上の師松村先生も、やはりまだ、石橋ではなく、板橋の上を、ひらひらと渡る心地なのだ。
どうしてそんな心地になるか。それはやはり、どうしても、この世が儚いからだ。どれだけ愛している相手とも、いつかお別れの時は来るし、あるも のはなくなる。それは、歳を重ねるほど体験することで、そういう意味では若い者より年上の者のほうがしんどいのかもしれない。この世は、生き慣れても生き 慣れても生き慣れ切ることはない。だれでもとまどうし、ゆらぐ。
それでも、歌の中で松村先生の手は、板橋の上でひらひらと舞うように戦ぐ。そのしぐさにわたしは色香さえ感じる。ゆらぎは舞いであり、ゆらぐ場所はゆらぐからこそ、居場所なのだ。 もし、わたしたちに生き慣れる手段があるとすれば、それは、この世のそこここにある板橋という居場所で、何度も何度も手をひらひらとさせて渡るそのしぐさと、そのあやうい自分をきちんとものにするということなのかもしれない。
わたしがマタハリに通うのは、マタハリという優れた板橋を、胃とこころで、あやうくうつくしく渡れるのがうれしいからだ。そしてわたしたちは、お腹が膨れたら、もうすっかり上機嫌になって、柚子茶を飲む。あいもかわらず、生き慣れない手で、ひらひらと。
詩人・大江麻衣さん
お互いに川上未映子さんのファンということで知り合って、彼女が来ると大抵、未映子さんのあれは読んだかこれはどうかという話ばかりでした。
ところが、川上未映子さんがユリイカ主催の「中原中也賞」を受賞した翌年、今度は大江麻衣さんが中也賞にノミネートされました。惜しくも受賞は逃したものの、その後、高橋源一郎氏のツイートで彼女は詩人として世界に産声を上げました。 詩人「大江麻衣」が世界に生まれるその瞬間に立ち会えたことは、私にとっても大きな喜びでした。
わからないことや知らないものが多すぎます。
料理の名前からそのものを思い起こすことが出来ません。映画の名前や音楽の名前のように、料理の名前を覚えるのにも、一定の能力がいるのだと思います。何度通っても、観たことのない映画と、聴いたことのない音楽が流れています。壁にも知らない人の名前。知らない国で買われた店内の雑貨。知らないもので満たされた空間に、知らない人たちがいて、私にはわからない話をしています。
食べず嫌いだったもののひとつに、茄子があります。料理に使われている食材は、名前すらわからないものが多いですが、茄子はわかります。なにか少しでも“わからない”に繋がりたくて、茄子を食べました。週替わりのカレーに入った茄子はやわらかくて、カレーの味がしました。茄子のことが少し、わかりました。でも、週替わりカレーがどんな食材で成り立っていて、それらがどういう過程を経て混ざり合ったあの状態になるのかは全くわからないままです。おいしいということは、よくわかります。
また、これはなんだろう、と思うために行くのだと思います。わからないもの沢山のマタハリの中、わたしと話してくださるりりこさんは、その世界のことをとてもよく知っているので、安心します。
安心しながらおいしいごはんをいただきます。10周年おめでとうございます。
お友達
武田のお友達代表・マサラさん
ワルンプアンをガラムさんと共に支え続けるいつも元気で明るいマサラさん。一緒にごはんを食べに行ったりおうちにお邪魔したり。一緒に旅行に行ったり。これからもずっとお友達でいてください。
ロジウラのマタハリさん、10周年おめでとうございます。
私達がお店を始める前から目標とさせて頂いている大先輩のお二人と、 同業者でありながら仲良くさせて頂いて本当に嬉しく思っています。
お二人と知り合った頃はまだお話をする機会もあまりなかったので、『なんてクールな人達なんだろう』と思ったのが第一印象でした。もちろん、そのクールさは今でも変わっていませんが、 仕事とプライベートをきちんと分けて考えていらっしゃるのがお二人の素晴らしさだと思います。
特に武田さんとはお逢いした頃はほとんど話す事はなかったのですが、今は相談にのって頂いたり、悩みを聞いてくれたり、情報を交換したり、本当に頼れる先輩です。
飲食店を続けて行く事の喜び、素晴らしさ、大変さを教えてくれたのも武田さんです。クールで真面目な中にもユニークで芯の強い気持ちの持ち主だから、 曲がった事が大嫌いな性格だから、そんな武田さんだから尊敬しています。
私達はまだマタハリさんの半分しかお店をやっていませんが、 長く続けていく為に…いつまでも目標にさせて頂きます。
これからも15年、20年と名古屋のマタハリ(太陽)であって下さいね。
そして私達をはじめプアン(友達)がたくさんたくさん集まるお店でいて下さい。
りりこのお友達代表・シロメ犬崎フランソワさん
いつだって、ここにこんないいものがあるよ、と教えてれる、一番仲良しのお友達。シロメさんは暗闇の遠く向こうにある光をいつも愛している人で、そんなシロメさんが書く言葉を読んでは、昔も今も、私は震えているのです。
シロメ犬崎フランソワさん
音が鳴る
遠くで
砂漠が全ての世界で水が匂ったような
音が鳴っている
感覚という触手がそちらへ飛びだして
縮んで
わたしを巻きもどす
歩かせる
近づいてあたりを見回せば集う人々、
花を咲かせ膨らんでぱんと
種となってとんでいくたましいも見える
ひとつずつ追ってみようか
そのようにしてこの言葉は
マタハリの場にやってきました
あなたの目の話しを聞かせてください